いくつあっても重宝するククイナッツレイ
ククイナッツレイは、男女問わずにフラ、普段使いにお使いいただけるアイテムです。
レイとして使う以外に、リボンからナッツを外してゴムに通し直せば、 Kupeʻe(クペエ:ブレスレット、アンクレット)としてカスタマイズすることもできますし、アレンジレイやオリジナルアクセサリー作り、ハンドメイドグッズとしてバッグの留め具代わりなど、様々に使えます。
素材: ククイナッツ(天然)
色:ブラウン または ベージュ(色付けしたものです)
長さ:約86-88cm(天然のナッツのためサイズには若干誤差がありますが、32−33個のククイナッツが使用されています)。
ククイナッツの直径は、縦横2cmのものから、縦横3cmのものまで異なるサイズが、小さいサイズ→大きいサイズに通されています。(首回りにあたる部分は小さいククイ、中央部分は大きいククイ)。
リボン:サテンリボン(ベージュまたは黒)
生産国: セブ島(フィリピン)
王族のためのレイだったククイ
シェルレイ同様、古代ハワイにおいて、ククイナッツで作られたレイは王族のみが身につけることを許されたものでした。
現代においては、ハワイのお土産としても人気のあるククイレイは、その見た目だけではなく、実は古代ハワイから脈々と継承される深い意味があります。
1959年にハワイの公式な木として定められたククイ
ハワイ州議会は、ククイ(キャンドルナッツ)の木がハワイの人々の生活にとって多くの用途と象徴的な価値を持つ、という理由からハワイの公式な木として制定 しました。
ハワイの人々の暮らしに欠かせないククイ
ククイの木は、古代ハワイの生活において様々な形で役立てられていました。接着剤、魚のエサ、染料、顔料、治療薬、レイ、火(蝋燭)、タトュー、貯蔵容器、カヌーの材料、浮き輪などなど、当時の暮らしのあらゆる場面で、木のあらゆる部分が利用されていたのです。
キャンドルナッツ(ククイ)は光
中でも、「光・灯火」としての役割は古代ハワイの人々にとって重要な役割を果たしていました。成熟したククイの果肉には油分が多く含まれており、古代ハワイではハレ(家・建物)内で灯りとして使用されていました。
ククイ(KUKUI)というハワイ語は、光、松明を意味し、英語名キャンドルナッツ、の如く、古代ハワイの人々にとって大切な光源であり、その他にも多くの利用価値があるククイの木は、生活に必須の資源でした。
ククイの起源
ククイの起源、ハワイへどのようにして持ち込まれたのかはよくわかっていません。ハワイに持ち込まれたその他の植物同様、アジアから来たものではないことは明確です。
ククイの木は、主にマレーシア、メラネシア、ポリネシアに多く自生しています。ハワイを代表する植物学者、イザベラ・アボットさん (1919-2010)によれば、ククイが種(ナッツ)であることから、ポリネシア諸島から2500マイル(4000km)離れた移動ルートでも簡単に持ち運ぶことができたと示唆しています。
ククイの木は湿った環境で容易に成長し、今でのハワイの山々の傾斜地には大きなククイの木立を見ることができます。
ハワイ神ロノの化身であるククイ
古代ハワイの言い伝えでは、ククイはロノ神のキノラウ(化身)であり、特にロノの一族でもあるカマプアア(Kamapuaʻa)という豚の神の化身と考えられています。ハワイでは豚はすべてカマプアアの象徴であると信じられています。ククイの木の葉やナッツの断面は、豚の鼻と耳の形に似ている種類が存在します。


Mo’olelo(ハワイの物語、伝説)で語られるククイ
ハワイの神話、物語には巨大なククイの木立がたくさん登場します。ククイの木は十分な水とスペースがあれば、とても大きく成長します。そして、大きく成長したククイの木立は日陰を作り、スピリチュアルで神秘的な瞑想の場所を提供することにもつながってゆきました。
モロカイ島の東端にはラニカウラ(Lanikaula)または、ウルククイアラニカウラ(Ulukukuialnikaula: ラニカウラの日陰のククイ、という意味)と呼ばれる場所があります。この場所は、カラニカウラ(Kalanikaula)という名の占い師が暮らしていた場所です。柔らかいククイの木に、占い師を訪ねる人々の髪の毛を鋭利な石で叩き刷り込み、誓いをたてる習慣があったと言われています。
カウアイ島のキーラウエア近くには、古代から自生するククイの木が生い茂る場所があり、この聖なる場所は、Kauhakake(カウハカケ)と名付けられました。古代ハワイにおいて、重要な日には、カウアイ島のチーフと民たちがこの場所に集い、会議を開いていました。
マウイ島のマカワオには香ばしく甘いククイナッツで有名なリリコイが自生しており、人々の憩いの場所となっていました。
ハワイ島コナには、Kuaukukulia(クアウククリア)、Kukuialaʻinamona(ククイアライナモナ)という2つの有名なククイグローブが古代ハワイの人々の記憶に残っているそうです。また、Kapāpala(カパーパラ)の下には不毛の平原に1本のククイの木が自生しており、かつて女神ペレがこの木の木陰で休息していたと言われています。
Hamakua(ハマクア)海岸沿のククイの木立は、かつてカマプアアの領域として知られていましたが、後に商業用のサトウキビ農園の開発によって全て伐採されてしまいました。その昔、この辺りには野生のイノシシがたくさん暮らしており、木から落ちてくるククイの実を食べていたそうです。
食用・薬用としてのククイ
ローストしたククイナッツを細かく刻み、塩を少々混ぜると、生魚の薬味として美味しくいただけます。ただし、ククイナッツの摂取は控えめにしなければなりません。ククイナッツには強力な下剤効果のある成分が含まれているため、食べすぎると救急搬送されるほどの深刻な問題に見舞われることがあります。
薬用としての利用も古代では重宝していました。Kohu Kukui(コフ・ククイ)、または Piʻiku, Kulukulu a(ピイクイ、クルクル・ア)と呼ばれるものがあり、これは成熟した緑色のククイナッツの茎の中に含まれる液体です。ククイの実を茎から切り離し、ガーゼにジューシーな液体(コフ・ククイ)を含ませ、それで口腔内や喉を拭いていました。口腔内や喉には病気の原因となる菌が多く存在しているため、コフ・ククイで拭き取ることによって消毒、殺菌の役目を果たしていました。とても苦いコフ・ククイですが、その効き目は抜群でした。
以上、ククイに関する情報ソース
KA WAI OLA NEWS よりクレア・クウレイラニ・ヒューズ博士の記事を日本語化
Clair Hughes博士 : 50年以上にわたりハワイ先住民の健康を擁護してきた人物で、1959年にハワイ州初のハワイ先住民の登録栄養士となり、その後、州保健局の栄養部長に任命。ハワイ伝統色の普及、ハワイアンコミュニティのための健康プログラムへの取り組みにより、2011年にはホンパ・ホンワンギの「リビング・トレジャー」に選ばれるなど数々の賞を受賞しています。